2014 年 24 巻 2 号 p. 145-148
外耳道後壁削除・乳突開放型鼓室形成術の長所は再発が少ない事である。逆に短所は創傷治癒に時間がかかることと、ケアが必要なことである。
手術手技のポイントは、入り口が広く、奥がすべて見渡せるような形態に作ることにある。中がすり鉢 (半球型のボール状) のような形で、すり鉢の底に伝音機構を収めた小さな中鼓室があるイメージとなる。
そのためには外耳道前下壁~下壁を大きく削り、鼓膜輪がすぐ見えるようにする。外耳道後壁下部を顔面神経の高さまで落とし、mastoid tip cellとの段差を少なくするなどの配慮が必要となる。外耳道前壁も張り出しが強い場合は削る。
広い外耳道入口部を作るために外耳道形成も必要である。