Otology Japan
Online ISSN : 1884-1457
Print ISSN : 0917-2025
ISSN-L : 0917-2025
テーマセッション1
若年発症型両側性感音難聴
高橋 優宏岩崎 聡古舘 佐起子岡 晋一郎西尾 信哉宇佐美 真一
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 31 巻 2 号 p. 137-141

詳細
抄録

特発性両側性感音難聴のうち,加齢性難聴とは明らかに異なる40歳未満の遅発性難聴を発症する7つの原因遺伝子が同定され,若年発症型両側性感音難聴と定義された.診断基準は①遅発性,若年発症,②両側性,③原因遺伝子が同定されており,既知の外的要因が除かれているものである.現在,ACTG1CDH23COCHKCNQ4TECTATEMPRSS3WFS1遺伝子が原因遺伝子として診断基準に示されており,70 dB以上の高度難聴であれば指定難病の申請ができる.ACTG1症例,TEMPRSS3症例のように,次世代シークエンサーによる遺伝学的検査および遺伝カウンセリングにより補聴器から人工聴覚器手術への自律的選択が可能となり,大きな福音となっている.

著者関連情報
© 2021 日本耳科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top