Otology Japan
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原著論文
一側伝音・混合性難聴に対する人工中耳(Vibrant Soundbridge®: VSB)装用効果の検討
高橋 優宏岩崎 聡吉村 豪兼古舘 佐起子岡 晋一郎西尾 信哉宇佐美 真一
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2022 年 32 巻 1 号 p. 129-135

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抄録

一側伝音・混合性難聴症例に対し臨床研究「一側性伝音・混合性難聴に対する埋め込み型人工中耳の有効性に関する探索的臨床試験」において人工中耳(Vibrant Soundbridge®: VSB)埋込み術を4例施行した.

本邦における人工中耳臨床試験(両側難聴)と同様に裸耳骨導閾値はいずれの周波数においても維持され変化がみられず,装用後6ヶ月での安全性が確認できた.さらに4例とも人工中耳臨床試験(両側難聴)と同様に良好な自由音場装用閾値を示し有効性が確認された.また,本研究における騒音下での語音弁別,方向定位検査も良好な結果であり,一側性伝音・混合性難聴症例において人工中耳VSBの有効性が示唆された.今後,本邦での適応拡大が期待される.

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© 2022 日本耳科学会
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