2022 年 32 巻 2 号 p. 171-176
軟骨伝導補聴器の販売が開始され,普及が進んでいる.新しい補聴器であるため,どの様な症例にフィッティングするのが良いのか,十分な効果を得ることができる聴力の範囲はどの程度であるのかについて十分に解明されているとは言い難い.市販化後に行われた256例のフィッティング症例の結果では,外耳道閉鎖症や慢性耳漏などの気導補聴器の装用が難しい例で約8割の購入率が得られ,気導補聴器の装用が難しい例が良い適応になると考えられた.適応可能な聴力の範囲を気導,骨導補聴器の評価法に準じて評価したところ,非閉鎖耳では中等度の難聴,閉鎖耳では骨導閾値が20–40 dB以内の症例で良好な効果が得られると考えられた.なお軟骨伝導の音の伝わりは気導骨導とは異なる.さらに耳の状態によって変化する.そのため実際の効果についてはフィッティングした上で評価する必要がある.