2022 年 32 巻 2 号 p. 209-216
CHARGE症候群では側頭骨奇形を伴い,人工内耳植込術の際に,乳突削開,後鼓室開放,蝸牛開窓や電極挿入に影響を与える.このような場合,手術用ナビゲーションシステム(Image-guided surgery system: IGSS)が有用であるが,通常のIGSSでは側頭骨手術に必要な精度は得られない.また精度向上のため骨に基準マーカーを埋め込む手法があるが,従来法では術前のCT撮影前に小手術が必要であった.今回,CHARGE症候群に対する人工内耳植込症例2例に対し,手術室で利用可能な移動式コーンビームCTを用いて手術開始後に設置した骨埋め込み型基準マーカーを含むレジストレーション用画像を作成し,IGSSを使用した.2例とも合併症なく蝸牛内に電極を挿入可能であった.電極挿入困難が予測されるような側頭骨奇形の合併症例の手術の場合は安全かつ正確な手術施行の為,IGSSの使用は有用な選択肢の一つであると考える.