2025 年 35 巻 2 号 p. 77-82
耳科手術は顕微鏡下手術であっても内視鏡下手術であっても,側頭骨の解剖の理解と画像診断は欠かすことは出来ない.中内耳の高分解能CTの撮影と読影は必須である.まず正常構造がCTではどのように描出されるのかを知っておく必要がある.内耳奇形,耳小骨奇形,顔面神経の走行異常,内耳道狭窄,前庭水管拡大といったイレギュラーな構造の有無を評価する.そして病変の評価として,軟部組織陰影の範囲,耳小骨破壊の有無と程度,石灰化や脱灰像,頭蓋底や内耳骨包の骨破壊の有無を確認する.MRIは,CTで認められる軟部組織陰影の質的評価や,聴神経や顔面神経の評価,内耳の膜迷路の状態の評価に有用である.耳科手術全例に必須ではないが,手術方針を決定する上で必要に応じて撮影する.手術後にも画像を見直すことで,画像診断スキルが向上する.