2003 年 72 巻 4 号 p. 466-470
科学界において,不正行為が明らかになるのは氷山の一角である.研究者のほとんどは,科学の不正行為に関心を示しておらず,十分な知識のないままである.日本において,政府機関,学会,大学,助成団体,科学界も,この問題への対応を欠いている.日本政府は,米国の公衆衛生庁に所属する研究公正局と同様の組織をもっていない.ベル研究所のSchon博士により引き起こされた不正行為事件は,物理学分野で大きな関心を呼んだ事件であった.この事例を十分に検証し,日本の物理学における科学研究の公正さ,特に発表倫理を発展させる機会とすべきである.