2003 年 72 巻 5 号 p. 587-591
強磁性探針を用いたスピン偏極トンネル分光法によって,ナノスケールの微視的な構造とスピン状態を同時に観察することができる.この手法を用いてAu(001)上にエピタキシャル成長させたCr(001)超薄膜の磁気像を室温で観測した.高密度のらせん転位が存在するにもかかわらず,層状反強磁性を示すこと,およびらせん転位に伴う反強磁性磁区と狭い磁壁(10nm)を見いだした.また,Fe(001)表面においてスピン偏極表面電子のステップによる散乱に起因すると考えられる電子状態を観測することに成功した.