応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
解説
光制御可能な細胞発光素子
近江谷 克裕
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2003 年 72 巻 6 号 p. 691-696

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抄録

生物の中には光のOn/Offによって細胞機能を制御するシステム,いわゆる「生体光スイッチ」が存在する.一方,多彩な発光色をもつ生物発光システムが単離され,本システムを導入した発光細胞がセンサー化されつつある.われわれは究極の光⇔光制御システムの構築をめざし,生体光スイッチをコンポーネント化,光によって自由にかつやさしく細胞発光素子を操る技術の創製をめざしている.この研究過程において,発光性渦鞭毛藻という生物に着目している.これまでに発光性渦鞭毛藻は光の受容物質であるクロロフィルを代謝し発光基質を生合成,光On/Offに連動して発光基質をエネルギー源として発光を行うことが明らかになりつつある.この巧みな「光に連動したあるいは制御された発光するシステム」をコンポーネント化して,光制御可能な細胞発光素子を構築したいと考えている.

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© 2003 公益社団法人応用物理学会
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