電力機器や産業機器における高温超伝導線材の真の実用化には,現在の特性値を超える線材および薄膜材料の開発が必要になっている.Bi2223,Bi2212,Y123を中心にMgB2 などを含めた実用線材の製造プロセスの特徴を述べ,臨界電流(Ic),そのひずみ依存性,交流損失・機械的性質などの製造プロセス,微細組織や線材構造についての依存性を分析し,それらの現状における到達点,材料特性改善の可能性とその方策について検討した.各種の線材の工学的臨界電流密度,ヤング率,破壊強度,線材の場合には連続して製造できる線の長さを L としたときの Ic・L 積について相互比較を行い,Ic・L=300kAmが高温超伝導線材の実用化の目標になることを提案した.