2004 年 73 巻 5 号 p. 629-632
電子が半導体pn接合を透過するとき,接合部の内部ポテンシャル差によって透過電子の位相には差が生じる.電子線ホログラフィーを用いると,この位相差を検出し,電位分布を二次元のマップとして観察することができる.われわれは,1015 cm-3程度のきわめて低い濃度のボロンを含むシリコンウエハーに作製した電界効果トランジスタ(MOSFET)断面の電位分布を可視化することに成功した.この電位分布は不純物の分布によって形成されるものであるので,この電位分布像は不純物分布像と考えることができる.本稿では,電子線ホログラフィーでこのような解析を行う原理と手法について概説し,半導体デバイスの開発や品質管理に役立つ可能性について論じる.