2004 年 73 巻 5 号 p. 624-628
発光波長が青色〜近紫外線にあたる六方晶ウルツ鉱型構造の酸化亜鉛(ZnO)半導体の励起子遷移が支配的な反射・発光スペクトルを,窒化ガリウム(GaN)との類似点・相違点に着目しながら紹介する.ZnOの励起子束縛エネルギーはGaNのそれの2倍以上大きく,励起子と電磁波(光子)の連成波である励起子ポラリトンが比較的安定に存在できる.この励起子ポラリトンを共振器モードと結合させた場合,励起子と光の結合力(ラビ分裂量:ΩRabi)は,半導体微小共振器としては最大の191meVに上る.近年の進展著しいエピタキシャル成長技術を用いることにより,ポラリトンのボーズ凝縮に基づくコヒーレント光源(ポラリトンレーザー)の室温動作を実現できる可能性がある.