応用物理
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Print ISSN : 0369-8009
基礎講座
DNA診断とRNA診断
野島 博
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2005 年 74 巻 10 号 p. 1371-1378

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抄録

RNA診断は,DNA診断によって生じるであろうゲノム倫理問題を起こさないという意味で有用である.われわれは段階的サブトラクション法の開発に成功した.この技術によれば,ある細胞で特異的に発現している遺伝子がすべて包括的に単離できる.この技術の応用として,健常人血液細胞あるいは自己免疫疾患患者の血液細胞に特異的に発現している遺伝子をすべて単離した.これら発現特化型cDNAマイクロアレイとして貼り付けたDNAチップを作製し,これを用いたRNA血液診断法(例えば自己免疫疾患を対象とした)の構築を目指している.さらに,これら遺伝子は治療のためのゲノム創薬の標的としても有用である.

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© 2005 公益社団法人応用物理学会
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