2005 年 74 巻 2 号 p. 202-207
平行な誘電体円柱をアモルファス的にランダムに配置した系は,円柱分布が一様であれば高密度・高誘電率比の条件下で,等方的なフォトニックギャップをもつ.この系は,アモルファス電子系と異なり短距離秩序構造も必要とせず,構造的にも非常に柔軟性に富む新しい光学構造体である.本稿では,この光学構造体と周期側壁を組み合わせて任意の形状の光学素子を作製する一般的手法を提唱する.また,その具体例として,90度曲がりや絞り込みのある光導波路,波長サイズの放物面鏡や円形共振器の計算結果を示す.