2005 年 74 巻 4 号 p. 501-505
微細加工技術の進展はめざましく,光を用いて100nm,電子ビームを用いて10nmの加工が達成されている.しかし,それら微細加工装置は1億円以上と高価で,量産効果が期待できるシリコンデバイス製造にしか用いることができない.ナノインプリントは,10nmのパターン解像度をもつプレス技術で,凹凸モールドがあれば,安価なナノインプリント装置でウエハー上にナノパターンの一括転写が可能である.ナノインプリント技術を用いることにより,低コストかつ高スループットでバイオデバイスを作製することができ,バイオチップ作製技術としてきわめて有用である.ナノインプリントはトップダウン型作製技術であるが,ボトムアップ型作製技術として,インクジェット技術が展開されつつある.本稿では,主にナノインプリント技術プロセスおよびそのバイオデバイスへの応用例について述べる.