応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
最近の展望
光合成たんぱく質を用いたバイオフォトセンサー
皆方 誠米山 賢史井上 康則西原 寛藤井 正明平賀 隆
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 74 巻 7 号 p. 924-929

詳細
抄録

本研究では,植物の葉などに含まれる葉緑体中の光合成たんぱく質複合体(PSI)と電子デバイスとを組み合わせ,生体のもつ優れた光機能性を電子デバイスの性能に反映させることにより,「今までにない新機能・高感度光検出器」を開発することを目的としている.これまでに,直径10nmのPSIを生体から機能部品として単離し,人工合成した分子電線および金ナノ微粒子と接続して,電界効果トランジスタ(FET)のゲート上に結合した.そして,光照射によりPSIから発生した電子がゲート電圧を大きく変化させ,FETを制御できることを初めて実証した.また,作製した生体光検出器(バイオフォトセンサー)を用いて,60×80画素の画像入力を行い,撮像が可能であることを実証した.

著者関連情報
© 2005 公益社団法人応用物理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top