2006 年 75 巻 3 号 p. 332-337
2nm以下のギャップを有する電極対を制御性よく作製する方法を確立した.この方法では,シリコン基板をくりぬいた台座構造に対して,集束イオンビームを用いて,1nmの精度で非晶質タングステン電極を作製する.この電極対で,Gd原子内包フラーレンダイマーあるいはクラスターの電気伝導を計測した.この方法で作製した非晶質タングステン電極は,低温で超伝導になる.電極間に挟まれたフラーレンダイマーを介した,超伝導近接効果を観測した.超伝導近接効果の温度変化および磁場効果を調べることによって,Gd原子内包フラーレンのスピンに起因する特性を得た.これらのナノギャップ電極の作製方法と実験に関して解説する.