2008 年 77 巻 7 号 p. 827-830
DVDなどの光ディスクは音声・映像データの記録媒体として,現代の日常生活に欠くことのできない存在となっている.この情報記録方式は,物質がレーザー照射により,光反射率の異なる結晶相からアモルファス相へ,またその逆へ,ナノ秒という超高速で変化すること(相変化)を利用したものである.最近は,ブルーレイ・ディスクに代表されるように,さらに高密度・高速の記憶媒体の技術開発競争は激しく,先端材料開発の最前線の一つである.しかし,原子レベルでの相変化機構はいまだに明らかになっていない.最近,放射光という超強力X線を用いた構造解析により,相変化速度の速いGe2Sb2Te5 のアモルファス相の構造を解明し,結晶相と同じ正方形の原子配列秩序をもった偶数員環ユニットを保持しているという特徴をもっていることを発見した.その研究成果について紹介する.