日本化粧品技術者会誌
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原著
角層水分量向上を目的とする乳化物の皮膚上油分・水分の配置制御
伊達 正剛, 髙田 広之, 森田 美穂, 小川 雄一
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2022 年 56 巻 4 号 p. 379-387

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抄録

スキンケア製品の重要な役割の1つは,角層に潤いを与えて維持することであり,その役割の具現化には乳化物が有望である。乳化物に関しては多くの報告があるが,その多くは調製技術に関するもので,角層水分量の向上という機能についてはいまだ不明な点が多い。そこで本研究では,乳化物を塗布した後の成分の分布に着目し,皮膚中および皮膚上における油分・水分それぞれの分布と角層水分量の関係について検討を行った。その結果,油分は,皮膚中に分布しない,すなわち浸透性が低いことが高い閉塞効果につながり,乳化粒子を大きくすることはこの点に有効であった。さらに,皮膚上では固形油の配合が皮溝への落ち込みを防ぎ,表面をくまなく覆う効果をもたらした。また,水分は塗布時に分離し,皮膚上に形成された油分の層の上に配置する場合があったが,粘土鉱物の油分保持性がこれを防ぎ,水分の皮膚への接触が促された。上記の要素を組み合わせた乳化物は,従来型の乳化物と比較して高い閉塞効果を示し,角層水分量も向上させた。これにより,油分の皮膚中・皮膚上での分布,水分と油分の配置関係の重要性が確認された。

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