2008 年 77 巻 7 号 p. 831-835
本稿では,汎用原料のみで構成できるCu2ZnSnS4(CZTS)薄膜を光吸収層に用いた新型太陽電池の研究開発の紹介を行った.CZTSは約1.5eVの禁制帯幅と104cm-1 台の大きな光吸収係数をもつため,薄膜太陽電池用材料として有望である.研究の主目的は,2004年度に導入されたアニール室付き同時スパッタ装置を用いることで,CZTS薄膜の高品質化および再現性の向上を図り,CZTS薄膜太陽電池の高効率化を達成することである.実験では,プリカーサー作製時および硫化時における,各種パラメーターの最適化を検討した.その結果,本材料系では最高の値となる6.77%の変換効率を達成した.