2009 年 78 巻 7 号 p. 642-645
ガラスはイオン伝導性の高い固体電解質材料を得るうえで理想的な特長を有している.ガラスのもつ大きな自由体積が,対応する結晶よりも高いイオン伝導性を与えるだけでなく,ガラスの加熱結晶化によって高温安定超イオン伝導結晶を安定化できるからである.有機電解液に匹敵する高いイオン伝導性を示すLi2S-P2S5 系ガラスセラミックが開発され,これを用いた全固体リチウム二次電池が試作された.高エネルギー密度の硫化物ガラス系全固体電池は,将来有望な次世代イオニクスデバイスである.