蓮〔はす〕や里芋の葉が,水滴をコロコロはじいているのを見たことがあるでしょう.水をはじく表面の性質を『はっ水性』と呼んでいます.逆に,水がベタッと濡れる表面の性質を『親水性』といいます.はっ水性の中で,特に蓮の葉の上の水滴のように,水滴がコロコロした状態を『超はっ水性』と名づけています.蓮の葉の表面に似た表面を人工的に作製すれば,超はっ水表面が得られるわけです.このような表面の応用は広く,いろいろな分野で期待されています.ここでは,透明な超はっ水膜の作製と応用,また超はっ水/超親水パターン化構造と応用について述べます.