2010 年 79 巻 4 号 p. 302-306
X線回折・散乱を利用した薄膜評価技術にはさまざまな手法があるが,本稿では,X線の全反射現象を利用する代表的な測定法であるX線反射率法と微小角入射X線回折法について解説する.これらの手法は,現在では市販のX線回折装置で精度よく測定できるようになってきた.そのため,原理をよく知らずに使用している研究者も多いように思われる.しかし,基本的な原理を知って使うことは,解析結果が疑わしい場合など,真偽を判定するうえで非常に役に立つことがある.そこで,本稿では基本的な測定原理から導かれる,結果の信頼性にかかわる注意点について解説する.また,最近の進展が著しいシンクロトロン放射光を利用する利点についても述べる.