陽電子消滅は,結晶中の点欠陥やポーラス材料の空〔くう〕隙〔げき〕を非破壊で感度よく検出することができる手法である.陽電子が電子と対消滅する際に放出されるγ線のエネルギー分布や対消滅までの時間を測定することにより,空孔型欠陥のサイズ,種類,濃度が評価できる.また,エネルギー可変陽電子ビームを用いることにより,試料深さ方向の欠陥分布を得ることができる.ここでは,陽電子消滅を用いてイオン注入Siの点欠陥や配線構造中の低誘電率材料のポアを評価した結果を紹介し,本手法が先端材料の開発現場で有効な指標を提供できることを示す.