2010 年 79 巻 4 号 p. 341-345
構造材料中の組織の微細化やコーティングの薄膜化が進む中,薄膜や微細構造を対象とした機械的特性を評価する手法の確立が望まれている.本稿では,これらの要求にこたえ得る手法としてナノインデンテーション法を取り上げる.ナノインデンテーション法は探針を試料表面に押し込むことにより,硬さおよび弾性率といった製品開発をするうえで重要となる力学特性パラメーターを直接評価できるという特長を有している.特に押込み深さがナノメートルオーダーであるので,薄膜の力学特性評価に力を発揮する.本稿では,その基礎的な原理と測定上の問題点を整理し,その優位性について実験データを示し解説する.