医用超音波技術は,非侵襲性,実時間性,簡便性,低コストという特徴から,現在では,臨床のさまざまな領域で,スクリーニング,精密検査のいずれにおいても欠かせないものとなっている.特に近年のデジタルビームフォーマに代表される診断装置のフルデジタル化の達成と,広帯域化や二次元アレイによるプローブ性能の向上により,超音波像の画質は飛躍的に向上した.さらに,超音波画像は断層像であるBモード,血流動態を捉えるドプラ法に加え,近年,組織性状に関する診断情報を提供可能な組織弾性イメージングが実用化されたことで,超音波画像診断の有用性がいっそう高まったといえる.ここでは,これらの超音波画像技術の原理や特色について解説してみたい.