応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
80 巻, 2 号
『応用物理』 第80巻 第2号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
巻頭言
企画の意図
解説
  • 本間 一弘
    2011 年 80 巻 2 号 p. 91-96
    発行日: 2011/02/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    磁気共鳴イメージング(MRI)はNMR現象を原理とし,原子番号が奇数もしくは質量数が奇数の元素(水素,炭素,リン,など)が測定可能となる.マグネットで作られる時空間的に一定な磁場の中で,これらの元素に固有な周波数(共鳴周波数)の電波を照射すると共鳴現象を誘発する.

    MRIは共鳴する元素に関する密度や化学的な結合状態などの空間分布,時間的な変化を計測することができ,空間的な分布を画像として提示する.現状では,医学,生化学,農学などへの展開が図られている.本論文では,MRIの原理,研究の最先端,医療において果たす役割を紹介する.

  • 椎名 毅
    2011 年 80 巻 2 号 p. 97-102
    発行日: 2011/02/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    医用超音波技術は,非侵襲性,実時間性,簡便性,低コストという特徴から,現在では,臨床のさまざまな領域で,スクリーニング,精密検査のいずれにおいても欠かせないものとなっている.特に近年のデジタルビームフォーマに代表される診断装置のフルデジタル化の達成と,広帯域化や二次元アレイによるプローブ性能の向上により,超音波像の画質は飛躍的に向上した.さらに,超音波画像は断層像であるBモード,血流動態を捉えるドプラ法に加え,近年,組織性状に関する診断情報を提供可能な組織弾性イメージングが実用化されたことで,超音波画像診断の有用性がいっそう高まったといえる.ここでは,これらの超音波画像技術の原理や特色について解説してみたい.

  • —原理と実績—
    長谷川 智之
    2011 年 80 巻 2 号 p. 103-109
    発行日: 2011/02/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    核医学イメージング装置は,測定対象内にある放射性同位元素(RI)の空間的分布とその時間的変化を,放出される放射線を計測して調べる装置である.がん診断に適するRIトレーサを被験者に投与すれば,臓器や組織におけるがん細胞の活動や広がり具合を評価することができる.代表的な装置には,ガンマカメラ,単一光子放出断層撮像法(SPECT)装置,陽電子放出断層撮像法(PET)装置がある.また,それらにX線CT装置を融合させたSPECT/CT装置,PET/CT装置も普及している.過去10年で,PET検査によるがん診断・検診が急速に普及し注目を集めてきた.核医学イメージング装置は最先端の放射線計測技術の結晶であり,今後とも多様な技術革新が期待される.

  • 巽 英介
    2011 年 80 巻 2 号 p. 110-115
    発行日: 2011/02/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    人工心臓は,自然心臓のポンプ機能を代行して全身の血液循環を維持する装置であり,重症心不全患者に対する一時的使用や心臓移植までのつなぎとして広く臨床応用されている.また近年では,半永久的な使用を目的とした体内埋込み型人工心臓の開発・臨床応用も進められており,技術開発の進歩とともに臨床成績も急速に向上しつつある.このような次世代型の人工心臓システムは,心臓移植を受けることができない多くの重症心不全患者を救命するとともに,安全な長期間使用と高い生活の質を提供して社会復帰を実現し得るものであり,日常医療の一環となって多くの患者に福音をもたらす日が1日も早く訪れることが望まれる.

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