2013 年 82 巻 3 号 p. 234-238
2011年は,東日本大震災,台風12号,タイの洪水などの自然災害によって我が国の多くの人命,社会・経済的な資産が失われ,それらの災害を経験・目撃し,災害に対する備えの重要さを強く認識した年であった.観測結果(情報収集)を基に,災害時の的確な情報分析・判断を支援し,危険情報の確実な伝達を実施する防災情報システムは,災害時の被害を最小化するだけでなく,ハザードマップの作成や設備計画といった事前準備にも活用することができる.本稿では,光ファイバセンサを用いた観測網を構築し,風水害や地震に対する都市域の防災力を高めるための研究開発について紹介する.