2014 年 83 巻 3 号 p. 200-204
半導体におけるスピン軌道相互作用は,電子スピンに対して有効磁場を与えることができることから,半導体での電気的スピン制御に必要不可欠な要素技術として期待されている.本稿では,スピン軌道相互作用を用いた新たな現象であるスピンフィルタと移動スピン共鳴について解説する.有効磁場の空間変調を用いることでスピン依存力や静磁場と振動磁場を生み出すことができ,外部磁場や強磁性体を全く必要としないスピン生成とスピンコヒーレンス制御が可能となる.本手法は,メゾスコピック素子における新たなスピン注入源や量子情報処理に向けた要素技術になると期待される.