現在,量子電気標準はジョセフソン効果と量子ホール効果による電圧と抵抗の実現のうえに成り立っている.電流つまり,アンペアは7つのSI基本単位の1つにもかかわらず,これら2つの量子効果から間接的に「組み立て量」として実現されている.この理由について解説し,そして2018年にも改定が予定されている電気素量,プランク定数を定義値とする新しいSIに向けた,単電子トンネリング効果を基本とする電流標準について説明する.最後に,ジョセフソン効果,量子ホール効果,単電子トンネリング効果の間の整合性の検証,つまり量子メトロロジートライアングルと呼ばれるオームの法則の量子力学的検証について概説する.