2014 年 83 巻 5 号 p. 366-370
バルク試料に埋もれたナノメートルスケールの転位ひずみ場を高分解能で可視化することが,転位の構造研究の1つの課題である.我々は,コヒーレントX線回折イメージング技術を駆使することで,シリコン単結晶中の転位ひずみ場を数十nmの空間分解能で可視化できることを実証した.また,可視化した位相分布を参照し,位相特異点に集束したコヒーレントX線を照射することで,回折波にマイクロX線渦ビームが形成され,その軌道角運動量を自在に制御できることを見いだした.X線渦ビームは,3d遷移金属の双極子遷移と4重極遷移を識別するX線吸収分光など,さまざまな応用の可能性を秘めている.