プラズマを構成する電子,イオンおよび中性粒子(原子や分子など)の温度・密度によって,その応用は常温に近い低温プロセスから金属を溶融する高温プロセスまで幅広い.一般に医療・バイオ分野でのプラズマ応用では,生体細胞や樹脂材料を対象とするため,前者の常温に近いガス温度を有する非平衡プラズマが用いられるのに対して,環境応用で扱うプラズマでは,高温下での廃棄物処理を実現するため,後者の熱平衡プラズマが用いられる.近年では,さらに常温下での非平衡プラズマの環境応用に関する研究も注目されている.本稿では,このように多種多様なプラズマの環境分野およびバイオ分野への応用に関する最近の研究動向について紹介する.