2016 年 85 巻 1 号 p. 21-27
半導体中の不純物や,触媒中の活性原子のように,特定の元素やその周辺の局所構造がその物質全体の性質を支配することがしばしばある.このような箇所の3D原子配列観測は周期性をもたないため従来の分析では不可能であったが,最近,日本において光電子や蛍光X線のホログラフィを用いて3次元的にイメージングする技術が発展してきた.これらの解析から機能制御に結び付く技術が開発されれば,広く新材料・新機能の創成につながると期待される.このような科学を切り開くために,新学術領域研究「3D活性サイト科学」が発足した.本稿を参考に,多くの方々に関心をもっていただき,共同研究が広がることも期待している.