2016 年 85 巻 2 号 p. 132-136
活性電極/金属酸化物/不活性電極の簡易構造をもつ導電性ブリッジメモリ(CBRAM)は次世代の高密度メモリとして期待されているが,実用化のためには,メモリ特性を制御する手法の確立が求められている.本稿では,従来電子材料の知識に基づいて行われてきたこれまでの素子開発の方針に替えて,金属酸化物層を溶媒を吸収・保持するための多孔質体として捉え直し,溶媒の物性および溶媒と壁の相互作用により素子性能を制御する「細孔エンジニアリング」を紹介する.溶媒にイオン液体を用いることでスイッチング電圧およびそのばらつきの低減とデータ書き換え回数の向上が同時に実現されるとともに,イオン液体の安定性により外乱耐性も向上することを示す.