2016 年 85 巻 8 号 p. 693-697
共蒸発分子誘起結晶化法は,真空蒸着中に液体を導入することで有機混合膜の結晶化を促進する手法であり,有機薄膜太陽電池への応用を意図して考案した.しかし,研究を進めるうちに,この手法は有機混合膜結晶化に限らない真空蒸着法の本質的な拡張法であることが明らかになってきた.例えばこの手法は,従来法では不可能であったC60単独成分膜の粒径のnm〜µmオーダの連続的な制御を可能にすることがわかっている.本稿では,このような共蒸発分子誘起結晶化法による有機薄膜成長の特徴とその応用について紹介する.