スピントロニクスにおける最重要課題の1つが,スピンの流れ「スピン流」の生成制御である.近年の微細加工技術の進展によって,スピン流を媒介とする多様な物性現象が探索されている.本稿では,スピン流を媒介して液体金属流体運動から電圧を発生する「スピン流体発電」を紹介する.回転体中に普遍的に現れる相互作用,スピン回転結合により,物体の力学的角運動量とスピンとが相互変換される.その結果,細管に流した液体金属中の渦度分布からスピン流が生成され,管に沿った方向に電圧が生じる.これはスピントロニクスに動力を組み込む試みであり,MEMSとスピン流の融合したデバイス開発が期待される.