2018 年 87 巻 3 号 p. 198-201
有機半導体中の光電変換現象は,軽くフレキシブルな薄膜太陽電池実現の可能性を開くものであるとともに,励起子が絡んだ複雑な物理過程であり学術的にも興味深い.有機光電変換で特徴的なのは,電子とホールが束縛状態にある励起子が生じることに加えて,その分離が電子ドナーと電子アクセプタの界面で選択的に起こることである.本稿では,高分子半導体を用いた光電変換に着目し,特に電子ドナー/電子アクセプタ界面構造と光電変換機構の関連を調べた結果を紹介する.ポイントはいかにして素性のよい明確な界面構造を実現するかにあり,その目的で我々が用いてきた薄膜転写法と表面偏析単分子層という2つの手法を併せて紹介する.