2018 年 87 巻 7 号 p. 506-510
スピンカロリトロニクス分野において,スピン流と熱流の相互作用が基礎・応用の両面から盛んに研究されている.2014年に発見されたスピンペルチェ効果は,スピン流によって熱流が生成される現象である.筆者らは最近,主に半導体デバイス解析に用いられてきたロックインサーモグラフィ(LIT)法を応用することで,スピンペルチェ効果によって生じた温度変化を可視化することに成功し,スピン流が誘起する特異な温度分布を明らかにした.本稿では,スピンペルチェ効果のイメージング計測を中心に,LIT法を用いたスピンカロリトロニクス研究の現状と展望について述べる.