2020 年 89 巻 4 号 p. 228-232
サステイナブル社会の実現へ向けては,不都合な事態の未然防止や,あらゆるところで無駄を省く効率化が求められます.それには地球上のさまざまな対象をセンシングし,人工知能(AI)処理により低コストで,必要なタイミングで必要な情報を社会にフィードバックすることが求められます.また,電池を含めたデバイスの軽量化と長時間動作が求められ,さらに,無線通信電力の削減にはクラウドへ上げるデータをエッジデバイス側で高度に圧縮する必要があり,超低消費電力かつ高性能な認識器を作ることが重要となります.本稿では,高機能低消費電力SoC,AIツール,省電力広域ネットワーク(LPWA)技術を例に,これからのIoT社会における低消費電力AI技術の意義と方向性について解説します.