応用物理
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Print ISSN : 0369-8009
研究紹介
原子間力顕微鏡を用いた生体分子の特異的結合の解析
キマダ モンダルテ エヴァン アンジェロ田原 寛之張 嶺碩林 智広
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2020 年 89 巻 7 号 p. 390-393

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抄録

原子間力顕微鏡(AFM)は固体材料表面の構造のナノスケール分解能での可視化のみならず,精密な力学測定が可能であることから,ソフトマテリアルの機械特性の評価,さらには分子間相互作用の計測にも応用されてきた.特に,AFMによるナノ力学計測によってタンパク質,DNAなどの生体分子の分子認識プロセス,リガンド‐受容体の結合状態の変化,分子構造変化の解析は生物学からバイオセンシング工学に至るまで多くの関心を集めている.最近では,測定技術の発展により,リアルタイムでの相互作用・構造変化の観測が可能となり,生体分子のダイナミクス,化学反応に関してより詳細な描像の報告が増えている.本稿では,今までの原子間力顕微鏡を用いた生体分子の特異的結合の1分子計測に関する研究を俯瞰(ふかん)し,特に静的な観察から動的なプロセスの観察,という測定ターゲットの変遷について,我々の研究成果も紹介しつつ最新の研究動向について解説する.

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© 2020 公益社団法人応用物理学会
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