2021 年 90 巻 12 号 p. 726-737
本稿では,全方位フォトルミネセンス(ODPL)分光法を用いた直接遷移型半導体の評価について紹介する.ODPL分光法は半導体自立結晶のバンド端近傍発光のうち,自己吸収が生じるエネルギーをもつ光が結晶表面の法線方向に強く放射される性質を利用して,外部量子効率から内部量子効率(IQE)をモデル計算なしに決定できる特徴をもつ.窒化ガリウムや酸化亜鉛,ハロゲン化金属ペロブスカイトなどを例に,具体的なIQE決定の手順や応用例について述べる.特に,積分球よりも大きな結晶試料を球外に設置して測定できることはODPL分光法の大きな特徴の1つであり,半導体ウェーハ全面のマッピング測定や,各種非線形分光,顕微鏡分光などとも組み合わせることも期待できる.