応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
解説
超高速カメラ開発の歴史と展望
江藤 剛治
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2021 年 90 巻 6 号 p. 332-338

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抄録

現在世界最速のイメージセンサの時間分解能は10ns程度である.1991年に開発した4500枚/秒のビデオカメラに対して撮影速度は2万倍以上になった.一方,シリコンイメージセンサの理論的限界時間分解能は11.1psであり,さらに1千倍の開発余地がある.シリコンの限界を超えるスーパー時間分解撮影(Super-Temporal-Resolution imaging: STR imaging)についてはホログラフィやストリークカメラを利用した工夫に富んだ技術が報告されている.しかしもしイメージセンサによるSTR撮影が実現すると,その高い利便性と広い適用性により映像計測技術に変革を起こす.このためにはシリコン以外の材料でフォトダイオードを形成する必要がある.例えばゲルマニウムの可視光吸収率はシリコンの数十倍でフォトダイオードの厚さは数十分の1になるから,原理的にはシリコンの数十倍速いSTRイメージセンサができる.本稿ではまずイメージセンサ以外のSTR撮影技術について紹介する.次にゲルマニウムを例としてSTRイメージセンサ開発の可能性と課題について報告する.

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© 2021 公益社団法人応用物理学会
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