日本油化学会誌
Online ISSN : 1884-1996
Print ISSN : 1341-8327
ISSN-L : 1341-8327
脂質の消化管機能調節作用
原 博
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 46 巻 10 号 p. 1237-1246

詳細
抄録
食事脂質は, 消化管の中において, 吸収される前に粘膜細胞に受容され, 消化管ホルモンの分泌を促進する。分泌が刺激されるホルモンとしては, コレシストキニン, セクレチン, エンテログルカゴン, ペプチドYYなどである。また, 食餌脂質は消化管神経叢も刺激する。これらは, 相互作用しながら, 膵外分泌, 胃酸分泌, 胃排出速度や小腸粘膜増殖などの消化管機能を調節している。また, 脂質は粘膜細胞のイコサノイド産生を変化させることで, 炎症性腸疾患や, 大腸がんの病態にも影響を与えている。
著者関連情報
© 公益社団法人 日本油化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top