2022 年 91 巻 10 号 p. 613-618
電界効果トランジスタの構成に適した層状結晶性に優れた一連の有機半導体の開発を機に,塗布により作製したデバイスの高度化が大きく進展してきた.本稿ではまず,これら有機半導体が示す層状結晶性の様相とその分子論的起源について解説する.次に溶液中で分子が層状に自己秩序化する性質を巧みに促し活用する新たな製膜プロセスによって,極薄で高均質な半導体結晶層の構築が可能なことを明らかにする.特に高撥水(はっすい)絶縁層上への半導体層形成による高清浄な半導体界面の構築により,低電圧・高急峻・高安定な実用的デバイス性能が得られるようになった.これらプリンテッドエレクトロニクスの基礎研究の現状を解説する.