2022 年 91 巻 12 号 p. 736-739
トランジスタに代表されるようなデバイスの微細化が続き,原子サイズという究極的な限界に近づくに従い,原子レベルで精密な構造に基づく技術の出現も現実的になりつつある.そのような原子精度技術の世界では,定まった原子配列を有する構成要素と清浄な界面がデバイス作製の鍵を握るはずである.そこで本稿では,原子精度の構成要素を組み込んだデバイス作製手法として,所望の原子配列を持つカーボンナノチューブを決定論的に配置するためのドライ転写技術について,ヘテロ構造の作製例を挙げながら紹介する.