2022 年 91 巻 3 号 p. 134-143
宇宙物質の中には,約46億年前の太陽系開闢(かいびゃく)時の現象を記録しながら形成され,当時の姿のまま保存されている粒子が残っていることがある.その粒子の化学組成,構成鉱物,同位体組成をサブミクロンの解像度で分析し,その結果を解析することにより,形成当時の物理化学環境とその時間変動を特定できる.本稿では,太陽系最古の物質CAIを例に取り,走査型電子顕微鏡法による化学組成分析・後方散乱電子回折,2次イオン質量分析・同位体顕微鏡法による同位体分析・年代分析,原始太陽系環境を模擬した室内実験によるCAI形成基礎実験により複合解析した結果から,太陽系の起源と進化をどう解明していくかを説明する.