応用物理
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研究紹介
曲面へ適用可能な太陽電池モジュールの開発
山田 昇
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2022 年 91 巻 5 号 p. 285-289

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抄録

太陽光発電の新たな導入対象として,自動車などの移動体への太陽電池の適用が進められている.移動体のボディは空力やデザインの観点から滑らかな曲面で構成されているため,太陽電池を曲面に適用する必要がある.しかし,現在入手できる太陽電池セルは全て平板状であり,最も普及している単結晶Si太陽電池セルは割れやすい脆弱(ぜいじゃく)性材料である.Siウェーハの薄型化や加工プロセスの進展により,フレキシブルな太陽電池モジュールも廉価に買えるようになり,曲面への適用性も向上しているが,自動車のボディは円筒面のような一方向曲げの2次元形状ではなく,球面のような3次元形状であるため(もちろんバスやトラックを除いて),曲面追従性を高めるために従来とは異なる開発アプローチが必要となる.本稿では,車載太陽電池のさらなる普及を目指して取り組んでいる単結晶Si太陽電池セルの曲げ試験,応力解析,曲面モジュール試作,性能評価試験などについて紹介する.

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© 2022 公益社団法人応用物理学会
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