応用物理
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Print ISSN : 0369-8009
研究紹介
プラズマオンチップ:細胞の運命を導くマイクロデバイス
熊谷 慎也小林 未明清水 鉄司佐々木 実
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2022 年 91 巻 9 号 p. 548-552

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抄録

細胞が外部からの刺激に対して応答することは,古くから知られている.科学者は,さまざまな刺激を与えて細胞の運命を導き,人にとって有用な細胞を創り出してきた.iPS細胞の樹立によって加速したライフサイエンスの著しい進展を思えば,有用な細胞を創り出すことの重要性がお分かりいただけるだろう.近年,細胞に与える刺激として,物質の第4の状態であるプラズマを用いる研究が盛んである.プラズマとは,正と負の荷電粒子を含み,それら荷電粒子が熱運動をしている,電気的には中性な系のことをいう.プラズマ中では,さまざまな粒子が衝突する結果,反応性の高い化学種,荷電粒子,光が生成されている.これらの特徴は,細胞に対する化学的,電気的,光学的刺激として利用できる.我々は,iPS細胞をはじめとする,さまざまな細胞の運命を確実に導くことを目指し,細胞に直接プラズマ刺激を加えるマイクロデバイス「プラズマオンチップ」を開発した.ここでは,最新の研究事例を交えて紹介する.

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© 2022 公益社団法人応用物理学会
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