2024 年 93 巻 2 号 p. 75-81
ディラック半金属はグラフェンにおけるディラックコーンを3次元的なバルク状態の電子構造として持つ.それだけでなく,バルク状態と表面状態が結合した特異な電子状態を持つことから,次世代エレクトロニクスを担う物質系としても注目を集めている.本稿では,ディラック半金属の代表的物質であるCd3As2について,その基本的な特徴を説明した後,高品質薄膜の作製から特異な量子ホール状態の実証に至るまでの一連の研究成果を紹介する.さらに,将来の応用展開を見据えた今後の展望についてまとめる.