応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
93 巻, 2 号
『応用物理』 第93巻 第2号
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Science As Art
今月号の概要
解説
  • 中 暢子
    2024 年 93 巻 2 号 p. 68-74
    発行日: 2024/02/01
    公開日: 2024/02/01
    ジャーナル フリー

    超ワイドバンドギャップ物質であるダイヤモンドは,パワー半導体ならびに欠陥中心を利用する量子センサや量子光源の材料として精力的な応用研究がなされている一方,電荷キャリヤや励起子,それらの複合体が共存する量子多体系の舞台として多くの物性研究者の興味を引きつけてきた.本稿では,さまざまな分光学的アプローチから評価されるダイヤモンドの興味深い光物性の一端を実験家の立場から紹介する.

  • 打田 正輝, 中澤 佑介, 川﨑 雅司
    2024 年 93 巻 2 号 p. 75-81
    発行日: 2024/02/01
    公開日: 2024/02/01
    ジャーナル 認証あり

    ディラック半金属はグラフェンにおけるディラックコーンを3次元的なバルク状態の電子構造として持つ.それだけでなく,バルク状態と表面状態が結合した特異な電子状態を持つことから,次世代エレクトロニクスを担う物質系としても注目を集めている.本稿では,ディラック半金属の代表的物質であるCd3As2について,その基本的な特徴を説明した後,高品質薄膜の作製から特異な量子ホール状態の実証に至るまでの一連の研究成果を紹介する.さらに,将来の応用展開を見据えた今後の展望についてまとめる.

  • 成田 秀樹, 小野 輝男
    2024 年 93 巻 2 号 p. 82-88
    発行日: 2024/02/01
    公開日: 2024/02/01
    ジャーナル 認証あり

    超伝導ダイオード効果とは,順方向には電気抵抗ゼロの超伝導状態になるが,逆方向には有限抵抗の常伝導状態になる現象である.この効果は,現在の電子デバイスの構成要素の1つである半導体ダイオードとの類似性から,超低消費電力で使用できるダイオードや整流器などさまざまな応用が期待されている.また最近,磁化によって制御されるゼロ磁場超伝導ダイオード効果が実証された.これは,磁化を利用して超伝導を不揮発に制御する新たな可能性を開くものである.ここでは超伝導ダイオード効果について解説し,将来展望を述べる.

  • 超高速量子コンピュータへの展開
    富田 隆文, 松原 卓也, ド レゼルック シルヴァン, 大森 賢治
    2024 年 93 巻 2 号 p. 89-95
    発行日: 2024/02/01
    公開日: 2024/02/01
    ジャーナル フリー

    我々は最近,冷却リュードベリ原子列を超高速レーザーで制御するという,これまでになかった組み合わせによって,新しい量子制御システムを生み出した.本稿では,この新しいシステムを支える2つの基盤技術,つまり原子列を構成する個々の単一原子を捕捉する光ピンセット技術,およびそれらの単一原子の量子状態を制御するレーザー技術について解説する.さらに,このシステムを用いて達成した量子スピード限界で動作する超高速2量子ビットゲートについて紹介する.このゲートは従来の冷却原子型量子コンピュータの2量子ビットゲートを一気に2桁加速する技術革新である.

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編集後記
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